たえてさくらのなかりせば

自分用の読んだもの備忘録

アニメ:Infini-T FORCE 4話「IMAGINARY FRIEND」テッカマン VS. ベル・リン 健と笑について

www.infini-tforce.com

プリパラに熱狂している私ですが、CGで大変お世話になっているタツノコプロアベンジャーズことフルCGアニメが始まるというので観始めました。

Infini-T FORCE、まず声優が面白い並びをしているところにも惹かれる。関さん櫻井さん鈴村さん、ヒーロー…というかめちゃくちゃニチアサの雰囲気が漂う3人じゃないですか。そこに斉藤壮馬くんが来る。そして敵側は平川さん花澤さん安元さん。平川さんと安元さんが敵側に回っているとわくわくするタイプですし、花澤さんがセクシータイプというのもなんだか新鮮。

ヒーローたちはそれぞれの世界から東京渋谷に来ている。元の世界でヒーローとして人々を守っていた点は同じだけど、そのポリシーやバックボーンは微妙に違っている。笑ちゃんに対しての接し方にもそれが反映されていて、彼女の生活に足りなかった家族の役割を少しずつ補いあっているように見える。彼女の心に水を与えていっているんだな。

そして観ていくと分かるんですけど、敵側も全然一枚岩じゃない。笑ちゃんパパのZのもとに集ってみんなでケースを手に入れるぞー!オー!だと思っていたのに、3人とも自分のため・自分が君臨する世界のためにしか行動しないせいで、個人的につっこんでいってやられる。いいのかそれで。後半で協力したりするんだろうか。

 

4話と5話のヒーローVS敵の対決、そしてそれと一緒に描かれる笑ちゃんとヒーロー個人の交流がとてもよかった…最高…

ベル・リンについて

花澤さんをいつまでも可憐な少女だけ演じる声優さんだと思っていると時々ぶん殴られる。今回はそのパターンである。ベル・リンさんは年齢不詳なお姉さんキャラなのだけど、花澤さんの声によってかわいらしさと年上っぽい深みが共存している結果、人外であるがゆえに人が良くわからないままに惹かれてしまう美しさが表現されている。すごい。妖艶さを表現する花澤さんにドキドキしてしまう。ベル・リンさんに首の骨折られたい。

もうひとつ彼女にぐっときたのは、人間の身体を模していたときはしなやかで柔らかな女性だったのに、戦闘モードがそれとは正反対の、多面体で構成されたようなパーツだったことです。プレステの初期のゲームに出てくるポリゴンで作った敵みたい!!!メタルギアソリッド1みたい!!アッ違う、カスタムロボだ!!!!!!と興奮しました。妖艶な女性型の敵が変形するとぬらぬらとした触手になることが多いような気がしてたので、普段の姿と正反対のアーマーで相手を殺しにかかるこのギャップになぜかとてもときめきました。

 

あとテッカマンの設定をよく知らないのですが、変身時の苦しみ方を見る限りではもしかしてとても身体に負荷がかかるのでしょうか…?痛みを耐えてでも、目の前の人を守るために戦うんですか。えっえっ、宇宙船でたった一人きりで救いを待っていたことといい、自分の境遇をことさらつらいとかさみしいとか言わないし変身に苦しむことも伝えてないし、もうばか!不器用!でもそれがヒーローたる宿命であり当然のこととか思っていそう。なんだか急にジョージへの好感度があがってきました。猫カフェとか行って癒されてほしい。商店街でやたらとおばちゃんにもててオマケたくさんもらっていてほしい。というかそんなこと言ったらヒーロー4人はみんな商店街のアイドルになりそうだ…。

 

「ひとはひとりでは生きられない」をどう伝えるか?

笑ちゃんは「自分なんてどうでもいい、放っておいて」と1話から繰り返し主張してきました。4話ではその点について大きく踏み込んで、しかもその表現が丁寧だったので、作品そのものについての評価も高くなってきました。

「どうしてひとはひとりでは生きられないのか」結構よく出てくる命題だけど、扱いが難しいよねこれ。今回はそのアンサーとして「みんなつながっているから、ひとりでは生きられない」という主張を選びました。この主張に賛成・反対かはさておき、作品全体のテーマになっているだろうこれをどれだけ説得力ある伝え方するか・そして映像として面白くするかって作品としての力量が試されるポイントですよね(上から目線)。これを戦いの中で、しかも2つの観点で対比しながら伝えてきたので、じょ、上手~~~!!!!と震えました。

 

「みんなつながっているから、ひとりでは生きられない」というふわふわした真理、つたないシナリオだったらきっとそのままセリフとして使われてしまう。しかしながらこの真理をそのまま話すだけじゃあまるで通用しない。セリフとして実感のあるものにしないといけない。その方策として敵であるベル・リンを前提として置いたのが上手。彼女と対峙するテッカマンは科学的な観点から彼女の主張を否定し、それを受けてガッチャマンは精神的な観点から笑ちゃんに語る。この部分のセリフたちがとても秀逸だったと思うのです。

具体的なシーンとして、セリフを抜粋しながら語ります。楽しくなってきたぞ。

 

ベル・リン「私はひとりで生きているわ」

テッカマン「それはただの傲慢だ!」

自分ひとりで生きている/生きられるから、自分のためだけの国を作り上げると語るベル・リン。その考えが間違っているというのは、テッカマンの言う通り筋が通っています。たったひとつの生命が他の生物を踏みにじってはいけないし、そもそもどの生物も繋がっているから、たったひとつの生命だけで生きることはできない。

 

 

健「一人で無茶をするな」

笑「わたしは自分を守ってほしいなんて思っていない、わたしなんてどうなったっていい」

 

一方笑ちゃんの主張に関して、観ている側は「まあ確かに個人の勝手だしなあ」「本人がそういうなら」とちょっと思ってしまうのではないだろうか。笑ちゃんが言ってることは寂しさの裏返しだとしても、この主張に対して「そんなことないよ」とだけ返事することのなんとむなしいことか!

脚本の上手なところはここなんですよね。ベル・リンの主張と笑ちゃんの主張は全然違うようでいて「他人をないがしろにしている」という点で根源的には同じだと繋げてきたのが妙手で、そして観ているわれわれに対しても「敵側には容易に反論できるのに、笑ちゃんの言ってることはわからんでもないんだよなあ」と気づかせて「じゃあどうこれに反論するのか?」と思わせてくれるまでが丁寧なんですよね。

 

健が叱咤します。

健「いいかげんにしろ!お前の命は、お前とかかわったひとたちみんなと繋がっているんだ。お前が死ねば、お前を大切に思っている人たちの思いも死ぬんだ。自分だけ満足ならいいなんて考えはやめろ」

笑「それがウザいの」

健「ウザくて結構だ!俺ももうお前の命とつながっているんだ、俺がお前がどう思っていようと、お前を守る」

「大切に思ってくれている人たちの思いも死ぬ」このセリフ単体でも結構イイなあ…と私なんかは思ってしまうのですが、笑ちゃんは思春期反抗期なのでそれこそ自分が望んだものじゃない、勝手にしろよと突っぱねる。それを受けてもなおウザく彼女を引き寄せる、でもこの返しは結局健もちょっとヤケになってて「勝手にしろ、俺も勝手にする!」というものなんだけど、それでも「笑ちゃんを放っておく」という選択肢は絶対ないんだという真っすぐな感情をひねくれものの彼女にぶつけているわけです。健、お前……もう…………パパみがすごい……

 

このセリフ自体をことばとしてもうちょっと考察すると、ウザいというかクサイセリフなんだよね。

今の時代真正面から真面目な顔で言われたら、フィクションだとしても笑ってしまう。真っ当で真っすぐで温かい言葉。これをもし教授やキャシャーンが言ったら、他の要素がどんなに上手に入っていても、観てる側としては感情移入できないと思う。だってキャラクターのバックボーンとして説得力がないから。

だからそれを言えるのは、スマホどころか携帯の操作もおぼつかない、「女なら料理の一つくらい」と皮肉なしで言えてしまう”古臭いタイプのおやじ”として描かれる健しかいない。「この人物ならこのセリフ言いそう」と納得できてしまう雰囲気が、3話までで構築されてるのは上手な脚本とキャラ設定だなあと思いました。

パパみについて、健はチーム内の立ち位置としても性格としても、笑ちゃんの父親代わりになっている。彼女が遊びに行くって告げても他のメンバーは用事をたずねない。”平成っぽい”他人の距離感だ。でも健は「どこに行くんだ」と気にかけるし、友達に冷たい態度を取っていたら「友達に対してその態度はないだろう」と叱る。彼はズカズカと笑ちゃんのパーソナルスペースに立ち入って関わろうとしてくる。いや、ほかの3人もそれぞれのやり方で温かく関わっているんだけど、健の関わり方は意識的に”昭和っぽく”描かれている。言ってることはとても真っ当なのだけど、最近聞かない言い回しだ。そのうち「おてんとさんが見てるじゃないか」とか言い出しそう。

笑ちゃんからすると自分の行動に対していちいち言われるからウザい。彼の言葉は彼女に親身になっているからこそ出てくるもので、これまでそんな言葉を本気でかけてくるひとがいなかったから素直に受け取る気持ちを知らない。でもどれだけ突っぱねても健が何度も何度も気持ちをぶつけてくるから、ふとした拍子に受け取ることができる。そうやってちょっとずつ笑ちゃんも自分や周りのことに素直になれたらいいなあ

 

アクションゲームでいいので出してください、そしてちょっとシミュレーション要素入れて個別ルートください!!!!!

 

 5話もまとめて書こうとしたのに、4話だけでだいぶ長くなった。記事分けます。