たえてさくらのなかりせば

あなたに会わなければ私の心は平穏で退屈だったろうに。チクショーありがとう! という気持ちを書くところです。

8/11 NIGHT OF ZOMBEAVERS Vol.2 偏愛レポ(完)

レポ、とは言いつつも実際の様子は公式からの映像を見てもらうとして、”わたし”の主観が多分に入ったゾンビーバーズ2の話を書きました。これもひとつの偏愛だよね、という話。

長いし目次つくったので、見たい演目だけ読んでね!

 (8/13 19時 全演目書きました!+リンクなどちょっと加筆しました )

 

 

1. 特撮夜話 第2夜 -音楽で語る円谷特撮 美味しいお酒を添えて-

デデデデーン、とウルトラマンの歌のイントロがかかると反射的に笑顔になってしまう身体である。父親が特撮の民なので、これはもはや幼少期に刷り込まれたもの。

さらにティガのTAKE ME HIGHERがかかると反射的に歌い出すことが今回判明しました。会場で聞いたひとはわかると思いますがあれかっっっっっっっっっっっこいいですよね?!!!!!!!????

ていうかウルトラマンシリーズのOPはどれも問答無用でかっこいいよね!!!
「決して絆を諦めない」でお馴染み、今オンエアしているウルトラマンR/Bをよろしくお願いします!!!*1 *2

 

特撮を愛してやまないyouth kさんとMEZさん、そして助っ人のMARCO Dくんでお届け。
誰もが知っている昭和ウルトラマンのOPから、科学特捜隊をはじめ防衛チームのテーマソングを紹介し、ミラーマン、ジャンボーグRとテンポ良く曲をかけていく。

 

ウルトラマンの歌なのに、歌い出しの『胸につけてるマークは流星 自慢のジェットで敵をうつ』って、ウルトラマンじゃなくて科学特捜隊なんですよね。」

ってyouth kさんが序盤に話してて、アッ確かに!と気付きを得た。ウルトラマンの戦う姿は語らずにイメージを膨らませていく効果。

 

 

  • 「ワンダバ」

中盤でスケッチブックが登場し、キーワードとして出てきた「ワンダバ」*3

同じフレーズのスキャットが、円谷作品の防衛チーム(科学特捜隊とかウルトラ警備隊とか)のテーマソング(「帰ってきたウルトラマン」以降の作品などなど)に共通して使われているという話。

 

勇ましい伴奏と一緒にあのイントロを聞くと、わたしは勢いよく回るプロペラを連想します。それは、平和のために今まさに怪獣に向かわんとする、防衛チームの戦闘機のプロペラ。
防衛チームは、言ってみれば自分達の平和を守るために戦う”ただの人間”たちだ。ウルトラマンたちと違い、自分の身体ひとつでは光線も光輪も出せず怪獣と戦えないただの人間たちは、科学の力を駆使し武器を作り、戦闘機に飛び乗る。彼らを鼓舞するための「ワンダバ」なのかな。

と今これを書きながら想像してみる。

 

もはやワンダバの原型がなかったり、むしろワンダバをテーマにした曲を歌ったり(お蔵入りになった曲「TRC のワンダバ1週間」めちゃくちゃ笑ったし大好きになった)
そんなアレンジを続けながらも作品を越えて同じスキャットが歌われる。それを聞くたびに、ひとびとは勇ましく立ち向かう防衛チームの姿を応援したくなるんだろうな。

 

  • 特撮音楽に合うお酒

会場はとっても素敵なバーなので、美味しいお酒を飲みながら楽しいお話を聞いているわけですが。
円谷音楽について語るのはyouth kさんとMEZさんで、では一緒に登壇していたMARCO Dくんの大切な役目はなにかと言えば


「では、今聞いていただいたこの音楽に合うお酒はなんですか?」

という、無茶ぶりにも思えるオーダーにぴったり回答すること!

 

5曲くらい尋ねられていたと記憶しているんですが、どれも当意即妙におすすめポイント込みでメニューを挙げていて、えっすっげえ!と感激しました。
ちらっとMEZさんが最後に言ってたけど、最後のオーダーは打ち合わせなしの本気無茶ぶりだったらしい、けどそれもMARCOくんは一拍ウーンと唸ってからすぐさま返してました。えっすごい、怖い。
彼のお酒への偏愛は風の噂で聞いたことがありましたが、こんな風にトークとして活用できるもんなんだなーと印象に残りました。
わたしその後実際におすすめしてたお酒を注文しました。スクリュードライバーおいしかった!


2.名シーンで語るでんぱ組.inc


「皆さん!!女子です!!!!!!」

(会場が大歓声で揺れる)


というオーガナイザーMEZの導入で登場した、ランランこと本田蘭さん。確かにゾンビーバーズの戦闘メンバーは凜さんが紅一点でしたからね。そしてトークメンバーとしては初の紅である。

 

彼女もやはりスケッチブックを抱えて登場しましたが、メンバー紹介の手作りページで、推しだけ貼られてる写真の枚数が段違いだとか、紹介曲の歌詞がフルコーラス手書きで書かれてる上に歌唱パートもカラーで塗り分けられてるだとか、仕込みの段階で熱量がとんでもなかった。

 

蘭さんとMEZさん以外にも会場内にファンが何人もいて、メンバー紹介シーンでは色とりどりのサイリウムの光と推しへの愛が飛び交ってた。トーク中にも飛び交ってた。

 

 

彼女が敬愛するでんぱ組.incのメンバー紹介から始まり、曲を聞きながら彼女らが辿った歴史を語る、という構成でしたが、ここで重要なのは、メンバーひとりひとりに付随する過去の’陰’ともいうべきエピソード。
イジメ被害や引きこもりなど、彼女たちはアイドル活動をするうえでともすればネックとなりそうな暗い経験をひた隠しにするのではなく、あえて歌詞として入れ込むなどしてそれをひとびとに晒している。そしてそれこそが、彼女らのアイドルとしての原動力、そして唯一無二の魅力の源となっている、と蘭さんのトークでは繰り返し語られました。

 

元々はアイドルできるような明るく前向きな子たちではなくて、でも”陰”と向き合って「いじめた奴らを見返したい」とか「変わりたい」とかの気持ちを抱えて、歯を食いしばってようやく足を前に踏み出している。

 

そんな彼女たちが、少しずつ駆け出して光っていって、苦難があってもファンとメンバーみんなで乗り越えて、やっと大きな目標を叶えて、でもそこでまた別れがあって……
唯一無二であったはずのメンバーが変わってしまって、「これからどうなるんだろう」って不安な空気がファンに漂ってしまった。

 

そこで彼女たちは、また歌った。つきまとう陰を知っている彼女たちだからこそ口に出せる、不安も怒りも憶測も吹き飛ばしてファンみんなを引っ張りあげる、力強いことばで。

 

 

ぶかっこうでも光れ

どうぞごちゃごちゃって言ってちょうだい

太陽フレアな炎上だって上等だ

 

つまりは新しいって最高だ

おまえら道に迷わせない

行く先照らしてやんよ

でんぱ組.inc「ギラメタスでんぱスターズ」LIVE Movie(2017.12.30 at 大阪城ホール) - YouTube

 

わたし当日の19時まで、でんぱ組が正式名称でんぱ組.incであることも知らなかったんですよ。知らなかった人間が今やこんなこと書けちゃうんですよ。

それくらい、順を追って語られるでんぱ組の歴史とエピソードには心を揺さぶる力があり、それを時折涙ぐみながら切々と語る蘭さんのトークは印象的だったし間違いなく面白かったです。

 

 

そして聞きながらわたしは(めっちゃオタクが好きなストーリー展開………)と唇を噛み締めながら頷いていた。

 

だってこんなエピソードたち、めっちゃオタクが好きなやつじゃーーーーーーーーん………

1年クールアニメを見たとき並みの積み重ねと心の高まりを感じる………わたしがこれ書きながらまた勝手に感極まってるわ。

 

 

余談として、メンバーカラーが「たまご色」と紹介されたとき会場一面「たまご色……???」ってクエスチョンマークが浮かんだのが面白かったし、それにたいして壇上の二人が「たまご色って言ったらたまご色は存在するんだよ!」ってごり押ししてたのがいいやり取りでした。

 

3.グッズ紹介

ここでyouth kさんのDJが入るプログラムでしたが、トラブルで急遽なしに。残念。

 

次の特集のために準備を進めているあいだ、物販コーナーからの宣伝が。

・Tシャツ

・トートバッグ2種(ネイビー、ホワイト)

・マフラータオル

・缶バッチ3種

・パンフレット(フルカラー24ページ)

 

なんだこの充実具合は!!!!!同人イベントだったら大手になってやっとこさできるボリュームだわ!!!!!買いました!!!!!!

 

イチオシはトートとパンフレットなんですが、まずトートバッグかわいいんですよ……横向きにA4が入る正方形で、シンプルロゴで使いやすそう。缶バッチめためた付けた。

周りで使い始めた人がいたらその人はゾンビーバーズ罹患者です。かじられないように気を付けましょう。

 


それで!パンフレットね!!!!最初はグッズになかったんですよ。主催も作る想定がなかったんだと思うんですけど、どっかのオタクがね、グッズ一覧を見てのたまったんですよ。

 

はい、わたしです。
そしたら、なんか、つくってもらっちゃいました。てへ。

 

当日、パラ見しただけでひっくり返りました。充実しすぎ!

イベント本編に触れそうで触れない(いっそ関係ない)それぞれの推しを紹介するページに、イベントの楽しさを倍増させてくれるトーク内で紹介した作品の目録*4
阿Gさん書き下ろしの狂気とホラーに満ちた脚本*5、MEZ & 凜の歌詞集*6、盛りだくさんなフルカラー24ページ。

えっ……私得ですか……??これが原価で売られている……???

 

合同誌とはいえ、フルカラー24ページを正味10日で作ってくださった主催一同には頭が上がらないです。オタクの軽はずみなお願いを聞いてくれてありがとう…!

パンフは複数買いしたので、読みたい方はぜひ言ってください。

 

4.宇宙最強のアクションスター ドニー・イェン特集

キタ!!!!プレゼンと言う名のドニーさん絶叫上映!!!*7

見たことある人もない人も、野次馬根性でワーワー言いながらアクション見るの楽しいな!!

 

ドニー・イェンさんがめちゃくちゃ大好きな大長さんとMEZさんが、ドニーさんのドの字も知らない又吉さんをコンビで洗脳するプログラムです。*8

でも又吉さんがまあ、手強い(笑)

 

おっきな画面に映像を映して、ドニーさんの飛び抜けたアクションを見せるスタイルなのですが、「カッケェー!」ってどんどんテンションの上がっていく大長さんに対して、役者の見分けがつかなくてドニーさんを画面から見失ったり映像中のおねーさんに気を取られたりして中々アクションを注視できない又吉さんの噛み合わないトークが、コントのように面白かった。

 

それにしてもドニーさんすげぇなあ……棒術やってるの初めて見たけど竹の棒が鞭のようにしなって陶器の桶を叩き割ったり竹の柱を折ったりしていた。わたしの知ってる竹と違う……

 

あと見たことある作品だと大切な家族を守りつつ流派としてしっかり試合を受けたりする絶対紳士系ドニーさんがイチオシなので、イップマンを見てください!アマゾンプライムだと3作中1も2も見られるよ!!!

 

 

5.LIVE Workingpoor Tracks (wktk) + MEZ

 

ゾンビーバーズにやってきたロックの新星!

ごりごりの音を立てるギターとボーカルで乗り込んできた2人は、緊張しながらも楽しく演奏していてよかったなあ……。演劇の人間たちはとりあえず応援をするシチュエーションに順応が早い。

最前で声援を送るのもこれまた楽しい。これが俺たちのロッキンジャパン(地下)や。

ラストに MEZさんのラップとJun+さんのコラボ!勢いを増すギターもぴったりとついていくラップも、2人ともすごかったなあ。ソガイカンの歌詞だったね。

 

 

6.LIVE  MC MEZ・MC凜 

わたしはゾンビーバーズのオタクですが、おうオノレ推しはどいつなんやと問われたら「ラッパーたちです」と即答する自信がある。

今世間では他のサブカルチャーにヒップホップを掛け合わせる試みがいくつも現れている*9が、水戸で上演される演劇にも数年前からラップが技法として取り入れられるものが現れた*10

そのとき必ずと言っていいほど曲提供・指導を行い、ときには出演までしてしまうのが、ゾンビーバーズのドン、MEZさんなのである。渡来人よろしく文化を持ち込んでくれたのである。みんな知ってるよね。言いたかっただけだよ。

 

そしてコンビを組む凜さんは、何を隠そう役者としてラップに出会い、すっかり魅せられてMEZさんの導きでステージに上がるようになったのだから、なんというか、人生ってわっかんねえなあとしみじみ思う。パスカル好きだよ。

 

そんなお二人のセットリストはこちら、

・lips(MEZ)
・凜さんデビュー曲 (凜) *11
・水星(凜)
・よるのそこにて(MEZ & 凜)
・まだ寝てたい‐ふたりで爆睡Remix‐(MEZ & 凜)

 

前回ゾンビーバーズから大きく違ったのは、今回お客がみんなサイリウム振ったことですね。

youth kさんのご厚意によって配られる大閃光!

恐る恐る折ってみる人もいれば、すぐさま片手に3本持つ猛者猛者(モサモサ)もいる!

持参のペンラで色を合わせるオタク!*12

Paper Moon はひとときオレンジの光に包まれました。色が統一されるのって思ったより綺麗だねえ!*13

そしてそれをステージの上から見てはしゃぐ演者ふたり。楽しい楽しいかよ。見たことの無い景色を俺たちが見せてやるよ。

 

  • MC MEZ

毎回しみじみと思うけど、おいかっこいいぞ、誰もきちんと言わないけど、かっこいいぞ!!!!!!!!!!

みんな言及しないのは、MEZさんはいつも演目のクオリティを一定水準以上に保って、それがあたりまえみたいにこなしてるように見えるからというのと、見ているお客(主に演劇の村人)へラッパーやその楽曲に対する誉めの語彙が浸透してないからじゃないかと思っている。だから新しい文化に触れたという驚きや、見目に対する印象の切り口でしか、口にできないんじゃないか。

調べればドープとかことばはあるけど、わたしが口にすると借り物みたいでしっくりこないし、さらに今は流行り言葉みたいにもなってて、うまく相手に届かない気も勝手にしている。ボディビルダーへの掛け声みたいな決まり文句があれば教えてください。*14

 

今回歌詞読むことができて、ようやっと「lips」の早口部分が判明して嬉しいです。

 

  • MC 凜 

あえて言おう、MC 凜はかっこいいのだ。

いやもちろんキュートで唯一無二なのは満場一致推して知るべしなところではありますが、そこで言及が止まってしまうのは非常にもったいない。

凜さんがまずうたったのは、きっかけともなった「怪物パスカルと仇討ち狂想曲」のエッセンスがふんだんに詰め込まれた曲。「ハイハイなんかつまんねぇ話」「調子はどうだいちんけな兄弟*15」「ねえパスカルやっぱり僕は…」

わたしは荒木さん演じたワタル少年の姿が、女性が演じたために起こる存在の曖昧さみたいなところで大層好きだったのですが、役も溶けこんだ上での”凜さん”の紹介曲としてピカイチだなって思う。可憐な女の子だけとはいわない、悪戯もワルノリもするけど未来に一抹の不安もあって、それでも地に足つけて立ってやんぜという!そういう!やつです!かっこいいひと!!!

曲も軽快で手拍子たくさんできるし、かかるといっつもワクワクする!さあ迎えにいこうよハッピーエンド!

 

「水星」はね、始まるときそっと口を開いてうたいだす凜さんのすがたがとてもきれいなんですよ。目を伏せてつぶやくようにうたいながら、きらきらしたことばを乗せる様を見ると、あーラップってこういうこともできるんだなと感じ入る。

 

  • MEZ&凜 コンビの魅力

いつもはジャケット着用のコンビですが、今回はゾンビーバーズTシャツ!カーディガンでさりげにお揃いにしちゃって!かわいい!!

みんなもうコンビにメロメロだって知ってるけど話していい?ありがとう

「よるのそこにて」は仄かに照らされた部屋が目に浮かぶような恋人の情景をうたっているんだけど、MEZさんのおだやかな語りと合間に挟まれる凜さんのしっとりとしたうたいかたがベストマッチなんですよね。

いつもとは似ても似つかない 甘い歌声

何度でもかまわない 何度だって聞き惚れる

ここ好きだなぁ。

 

それとは対極に属するみたいな、人間の欲望と悲哀をうたった「まだ寝てたい」。

コール&レスポンスが鬼気迫る願いになることでお馴染みですが、コンビで息を合わせるパートがあって見てるだけでも楽しい。茶目っ気たっぷりに視線を合わせる師弟がよい。

この師弟、探偵と使いの少年みたいな、年の離れたきょうだいみたいな、たった半年なのに唯一無二のコンビ感だなって思ってる。ステージを降りると、案外心配されてるのは師匠のほうだったりするところとかね。

 

何度でも言うけどパンフ歌詞掲載ありがとう……オタクは活字が大好き……

 

 

7.今大人が読むべき児童文学―地獄堂霊界通信特集― 

覚えやすいキーワードでもってキャラクターの魅力を観客に伝え、エピソードを軽妙に語りながら徐々に物語の世界に引き込む巧みな話術。

そしてラストの朗読に至れば、誰もが呼吸を潜ませじっとその声に耳を傾ける。少なくともその時間だけはみんな、作品を思い思いに頭のなかに描いている。

 

そんな最もグレイトなショーマンである阿Gさんのトークは、布教という言葉がもっともふさわしいのだと思います。目の前に聞き手がいる場内での一人語りとして、ひとつしっかりと形を成している……めっちゃ聴き込んでしまう。

 

今回紹介された「地獄堂霊界通信」

この世ならざる力や存在に立ち向かう、勇気と知恵と不思議な力を携えた少年たちの冒険譚……

にとどまらず、人間が営みのなかでつい抱えてしまう業の恐ろしさも潜んでいたりして、エーこれを!憶さず子ども向けの物語に組み込むのか!と話を聞きながら仰天しました。

 

子ども向けの物語を作ることは、事実を誤魔化したり甘い言葉ばかりで埋め尽くしたりすることではない。大人に伝える物語と同じように組み立てて、ただ成長段階に合わせて理解しやすい表現に置き換えることだけなのだ。

とは、インターネットで聞き齧った言葉の意訳ですが、地獄堂はきっとそういう物語なんだろうなと思います。

大切なのは、子どもが読んでも作者の考えた情景が心の中に描けることであり、描いたものが真に理解できるのはそのずっと後でもいいのです。

少し背伸びして本を読み漁ってた頃なんて今から思うと、言葉はわかるのに意味がわからない表現なんて山ほどあって、それでもわかる部分から推理したり読み飛ばしたりしてたもんな。

 

今回朗読によって紹介されたのは、自らの業に絡めとられた女の話でしたが、いやめっちゃ旦那さんやばい。やばたにえん。好き。

 

コミカライズには削られてしまったシーンのため、今回読むことに決めたそうなのですが。とにかく阿Gさんの朗読聞いて。

今回の旦那さんのように、一見普通そうに見えるのに目だけあらぬ方に向いているとか、清潔そうな身なりなのに爪の間だけ赤黒く汚れているだとか、そういう、ひとがヒトのまま狂ってしまった姿を阿Gさんが演じるの好きだなって思いました。

あとモブおばちゃんたちもすきです。

 

 

8.お人形映画特集 

ゴライを讃えよ!!!!!

 

遠からん者は音にも聞け、近くば寄って目にも見よ

やって来ました、ゴライトークのお時間です!!!

 

ゴライトークについては、もはやレポートするよりも映像を見てもらった方がよくよく伝わると思うので放k…割愛させていただくとして。

ゴライくんの映画語りは、とにかく情報量が大波のごとく襲ってくるのがひとつのアトラクション的面白さ。キミはそのやべぇホステルにいたんですか、と問いたくなるような見たままの情報がポンポン飛び出してくる。

客席に危険が及ばない程度に手綱をゆるーく持ってるMEZさんも、しまいにはその勢いに振り切られてすっ飛んでいったりする。いいぞもっとやれ。

 

そして今回はお人形の出てくる映画ということでチャッキーが満を持して登場いたしました。

映画に明るくないわたしとしては「ゴライくんを写真に撮ると顔認識が働いてしまうお顔」という印象。iPhoneのなかで拡大されててヒェッてなります。

 

今回ステージ上には有志によるお人形の提供があり、恐ろしくも愛らしい人形を愛でながら映画の話が盛り上がることに。

シリーズ7作も続いてることすら知らなかったので、今回も盛りだくさんの情報量でした。チャッキー割れるのに復活するんですね、しぶといなあ。

 

途中MEZさんとゴライくんの推しトークがぶつかってしまい、ガン飛ばしあった一瞬もありましたが、終始もうふたりともめちゃくちゃ楽しそうに語るものだから

「君たちが元気で楽しければ、もうなんでもいいです!」という観客たちの生暖かい雰囲気に包まれた深夜となりました。伏せ字になるピー音ボタン持っていかなくてごめんね!!!

 

 

9.音楽で語る高校野球~エンディングDJ TIME

さあ23時になりますと、もうわたしの泥酔度も推して知るべしとなってきているので、もうこの辺は楽しかったなと言う気持ちの残滓くらいしか覚えてないんですけど*16

これだけは!!語らなきゃ!! という楽しさがあったのでご紹介。

MARCO DくんのDJタイム、テクノをかけてる印象が強かったのですが、今回その前座口上として

「音楽で語る高校野球」のお話をしてくれました。えっ好き。

 

高校野球にバンドを引き連れた応援は付き物。炎天下と汗だくのなか、傷みやすい繊細な楽器を持ち出して演奏してくれる吹奏楽部の人たちには頭が上がりません。

どの高校も選ぶ定番曲「アフリカンシンフォニー」を例に、地域色や戦略が応援にも密接に関わるというお話。沖縄興南高校の指笛が入るアレンジ新鮮だったな……!!

 

野球というスポーツには、手を組んで祈り思わず息を止めてしまう、永遠と錯覚しそうな瞬間と、ボールよどこまでも飛んでいけ、あるいはその手よ届いてくれと声を枯らして願う瞬間が交互に登場します。

その瞬間をいつまでも記憶に焼き付ける役目を果たすのは、独特の色を含んだそれぞれの応援歌なのかなあなんて。

 

いーやー楽しかったです!!ありがとう

 

 

 

 

 

 

 

(おわりに)ゾンビーバーズとはなんなのか

ここまで読んでくださったひと、ほんとうにほんとうにありがとうございます。

同志が欲しい演者さん、わたしと同じお客さん、はたまた来られなかった方……

いろいろだとは思いますが、ゾンビーバーズが好きなひとには違いありません。だって10000字読んできてるんだぜ。

 

「イベントが楽しかったので全演目感想書きたいんですが、どれも重い書きぶりになりそうで迷ってるんです……」

って某主催さんに相談したら

「うん、まず全演目書く時点で充分重いから、気にしなくていいと思うよ!」

と励まされました。

なるほど感想を書くという行為ですら、すでに偏愛は始まっているのだと気づいたのはこの時で、ならばひとを傷つけない限りなにも気にすることはないな!!と吹っ切れました。ラッパーはやっぱり凄い(明後日の方向を見ながら)

 

自分の好きなものの話を聞いてくれるひとがいること

わたしもそれ好き!とハイタッチしてくれるひとが現れること

あなたの話しぶりで気になって買っちゃった、と笑うひとと出会うこと

この人の話ならいくらでも聞いていられるな、とお酒を片手に思うこと

 

普段社会の歯車として生き延びているわたしにとって、こんな経験を可能にしてくれるのは、身近なところではゾンビーバーズなのかなと思います。

だからこれからも続いてほしくて、わたしはイベントへの愛を綴りました。

これを読んですこしでも気分が良くなったら、またステージに上がる日をお待ちしております。それはゾンビーバーズ以外のどこかかもしれない。

わたしにハイタッチしてくれるひとも、若干数お待ちしています。友達が欲しいもの。

 

我々の魂の叫びが、誰かの魂に共鳴を起こすことを願って。

 

一番スゲェのは、ゾンビーバーズなんだよ!

 

 

秋が楽しみなNIGHT OF ZOMBEAVERS のオタク まるゆき(@maruyuki16)

(了)

*1:youtubeで見逃し配信やってます→ Tsuburaya Prod. Official Channel - YouTube 

*2:あとドアサとニチアサの友達が欲しいです→ @maruyuki_tv

*3:「このイベント、スケッチブックが出てきたら要注意ですよ!」とはMEZさんの言。みんなだいたいスケッチブックを抱えて出演するのですが、偏愛がたっぷり詰まっているドロドロした壺みたいなものだからです。

*4:単なるリストじゃなくて、演者による一言コメントがそれぞれついてるのがニクい。大好き

*5:モーガン!モーーガーーーーーン!!!

*6:初活字化!!今回やらなかった曲も掲載されててオタク嬉しい

*7:この辺りからアルコールが多分に入りわたしのテンションがひどい

*8:トークの冒頭で「ドニーさん知ってる人〜?」って募ったら10人弱手を挙げて、大長さんの予想よりはるかに多かったらしい。精力的な布教活動のおかげっスよきっと!

*9:ラップのタイマンバトルとしての側面を強く打ち出した番組「フリースタイルダンジョン」はもとより、同ポジションキャラで声優よりもゲストラッパーのほうがアフレコ量が多かったネトフリ版「デビルマン」、声優が現役ラッパーたちの曲提供を受けてキャラクターもライムも見事に演じる「ヒプノシスマイク」などなど。キャラクター単体でラッパーやDJが出てくる作品も目立つよね

*10:といってもわたしの自我が目覚めたのが5年前くらいだからあんまり信用しないでください

*11:タイトルは「petty cakes and ale」だってインターネットの路地で聞きました

*12:わたしです

*13:しかし激しく動く光源と被写体があれだけ近い状態では、カメラは相当苦労したんじゃないかな

*14:「(ライムが)キレてる!キレてるよ!」

*15:今回ここでコール&レスポンスが起こりそうだったのが面白い

*16:おんなのこにからみにいってた