3/9 スパイダーバース 舞台挨拶&本編感想
評判を聞いてえいやっと観に行ったら、たまたま舞台挨拶中継付きの回でした!なんて幸運!というわけで舞台挨拶と本編の感想。
舞台挨拶(小野賢章・宮野真守・悠木碧)
3人登壇してスクリーンに大写しになった瞬間に「いや500億かわいいか」って呟いてしまった。声優業界の中でもアーティストや俳優活動が盛んで見た目の整い方が半端ない3人が一堂に会してしまった。空間のビジュアル値が高いよ!!!!
特に宮野真守さんがかっこよくて、いや正確にいうと普段から彼はかっこいい見た目をしているのだと改めて気づいてしまって、その不意打ちに動揺してしまった。
最近実写だと雅マモルとか巽幸太郎コスプレとかしか見てなかったので、きちんとした格好をしてきちんとした居住まいでインタビューに誠実な回答をする宮野真守を見つめるの、3秒も持たない。なんだあのカッコいい30代。ふだん面白にいちゃんだからちょっとぜんぶキメキメだとずるすぎる。
でもインタビューが進む中で段々とふざけが顔を見せ始めて、あっいつもの宮野さんだって安心しました。
ジャケット赤・シャツ青・ネクタイ赤で、スパイダーマンカラーリングだと思いつつも頭をよぎる栗田貫一ボイス。トーク中に我慢しきれず賢章くんが言及しちゃうのに笑った。
賢章くんはおっきめパーカーでマイルススタイル。
悠木さん、緑のタータンチェックのスカートがとてもとても可愛くて、黒リボンを結わえたレースブラウスと一緒にすごく良く似合っていた。去年私が熱望していたJane Mapleかしら、と思ったのだけど微妙に違いますね。気になるなあ。
- 作品に関わった率直な感想は?
賢章「マーベルが好きで、その中でもスパイダーマンがすごく好きなので、不思議です、この場に立っていることが…だって本来ならば皆さまと同じように客席で見ていたと思います。こう、ポップコーン食べながらね」
宮野「いいよそれは(笑)」
悠木「コーラがここにあってね」
宮野「いいんだよ細かいデティールは」
賢章「食べてるうちにこうポップコーンが挟まっちゃって…」
宮野「そこまでにしよう!??」
賢章「それで…なんの話でしたっけ??」
宮野「スパイダーマンになれてね~~自分の話に責任持とうね~~~~」
賢章「あっそうです、スパイダーマンになれたことがすごく…感無量です!」
宮野「便利な言葉!」
熱がこもってずれる賢章さんや茶々を入れる悠木さんにツッコミ入れたりフォロー入れたり、面白く転がしてくれる宮野さんが頭の回転が良くていい先輩だなって思いました。普段は1人で舞台の上をフリーダムに駆け回ってるイメージなので。
- 吹替したキャラクターと似ているところは?
「ふだん声優でやらせてもらうキャラクターって自分より若いことが多いので、自分の年齢と近い今回はそういう意味でかなりプレッシャーでした。」
ここが、宮野さんの真面目な部分をふっと覗かせたコメントだなあって思った。真摯に受け止めてる感じ。
宮野「ぼくがぐうたらしたらこんな感じだろうなあって思いながら…すごいピーターぐーたらなんですよね」
賢章「えっいつもかっこいいか面白いかの宮野さんしか見てない!今日も……別の作品から……」
宮野「3世じゃねーわ!」
さらに、「宮野さんどんなふうにぐうたらするんですか?」とまさかの賢章さんの無茶振りに
宮野「えっ?こう……前にお菓子とか置いて、こう、ぐーたらするよ、ねっ(スタイリッシュごろ寝をキメる)」
賢章「脚長っ!身体の7割くらい脚!」
悠木「脚がぴーんって三角定規みたいになってましたよ!」
悠木「スパイダーマンでヒロインですって言われて、『おっMJか~?』って思ったんですよ、でも台本開いたらグエンのところに私の名前書いてある!えっ戦う方じゃん最高!ってなりました。マーベルの女子ヒーローってすごく…狭いじゃないですか!だからこうした形でヒーローになれて嬉しいです」
「グウェンは私が付き合いたい女にしました!似ている部分を探すというより、台本を読んで『えっ無理付き合いたい~』って思ったので、私が付き合いたい女に仕上がってます!皆さんと女の好みが合うといいなって思います」
絶対みんな好きになっちゃうよ!って豪語してました。その通りですよね。
マーベルヒーローがすごく好きで、なかでもスパイダーマンに憧れていたと思っていた小野賢章さん、シビルウォーでスパイダーマンが登場して(自分が声を当てられなかったことに)ショックを受けたそうで。
「でもそれは、今回のキャッチコピーの『運命を受け入れろ』っていう、まさしくこの作品に出会うための運命だったんだなって今すごく思います」
そんなふうに晴々と言われたら、「マイルスも小野賢章もスパイダーマンになれて良かったねぇ!」って本編始まる前から高まってしまうよ!主人公が思い入れが一番強い作品で本当に良かった。
本編(吹替の感想)
スパイダーマン自体が初見ですが、とても面白かった……!!!
ひとことで言えば、物語も映像も音楽も夢中になって観られる作品だなあと思った。
学校を抜け出しておじさんの所に遊びに行くシーンで、大きなリュックをせおったマイルスにヒロアカのデクくんが重なって、大きなリュックがアメリカのティーンエイジャーというか、まだあれもこれも選べる子どもの象徴に見えたり。
ラストにやっと握手できたマイルスとグウェンへ「ンもおお可愛いなお前たち!」って悶えてるB.パーカーによくぞ言った!とサムズアップしたくなりました。
スパイダーマンどれも魅力的で選べない…敵のプラウラーのガジェット満載の武器もかっこよかったし。
でもやっぱりグウェンかなあ。賢くてクールで有能って公式で言及されてるし、実際そのように戦闘でも描かれてるのが惚れ惚れする。
スパイダーグウェン、白ピンク基調なのにしなやかな黒がバシッと決まってて、スタイリッシュでクールな雰囲気なんですよね。
舞台挨拶でグウェンのスーツも登壇してて、眺めてる間に足元がフェミニンなバレエシューズなことに気づきました。そのポイントで彼女のデザインが一番好き!って思った。少女のアイコンみたいな、可愛らしい足首リボン。舞台上では水色かな?って思ったけど実際は薄いネオングリーンで、それも狙いすぎない可愛さの理由か。
クール、フェミニンと、どちらも選びたい、どちらもわたし、どちらもかわいいみたいな印象を受け取りました。ありがとうキャラデザ。単独映像作品まだですか!
あとノワールももちろん心惹かれるよね、探偵でモノクロなキャラデザも素敵だし、大塚明夫さんなの本当に最高…昨今なかなか女の子に「おいで」って呼びかける大塚明夫聞けないよ……
ノワールは立ち振る舞いだけでキャラが確立するように見せていて、その分バトルもっと見たかったな~とか欲張る。
あとでポスター見て気づいたけど、パーカー被ったマイルススパイダーマンも本編で観たいなあ。
今回拝むほど感謝したいのが、吹替声優陣。ただ日本語で台詞を聞くための吹替じゃなくてちゃんとプロで固めてくれたことがまず嬉しい。
その上で声優さんたちの演技が、アニメでも吹替でも聞いたことない声質だなあって思って不思議に嬉しくなった。
実写の吹替のように画に完全に溶け込ませる声じゃなくて、アニメで聴ける声優の演技のいいところ・好きなところがさりげなく散りばめられてる声だって思った。上手いこと2つの要素が溶け合っている、絶妙なバランスの声質をそれぞれが使ってくれている!
声優のお仕事は今や多様であるけど、アニメの仕事がやっぱり私は好きだから。アニメで磨いた腕を他の仕事に活かしているのに気づいたら、本当に嬉しくなりますよね。
スパイダーバースはアニメーションだけど、実際見たら実写とアニメのいいとこ取りのような画づくりだって思って、だからこそ、声優の演技も実写吹替とアニメの間をグラデーションで移動するようなとてもいい塩梅だったのかもな。
実写映画をよく見る人には「日本のアニメで鍛えられた声優がこんなにすごい吹替するんだぞ!!!」って言いたいし、アニメを沢山見てる人には「吹替だとこの声優がこんな声使ってるんだよ、アニメじゃあ聴けないんだよ!!」って言いたい。そんな、勝手に誇らしくなるような、素晴らしい吹替だなって思いました。
- ピーター・パーカーと中村悠一
まずピーターパーカーのかっこよさ、そして一心同体みたいに声を当てる中村悠一の素晴らしさよ!!!!
ピーター・パーカーを見たのは初めてなんですけど、ずっとあんなかっこいいキャラなの?うそやん?日常的にヒーロー仕事をしてて、戦闘中もいい感じに力が抜けてる感じがかっこいいしうっかり好きになりそうだった、ずっと見ていたかった。
それで中村悠一なんですけど、一言喋った瞬間に「あっ『完璧な男』の中村悠一だ」って心臓刺された。
この作品での役どころとしては、後ほど出てくるBパーカーはじめ他のスパイダーマンとの対比のために、彼を「お手本」として印象付ける必要があるじゃないですか。
非の打ち所がない完璧なスパイダーマン、清廉で真っ直ぐなイメージ、かつ等身大の男性の声。
アニメみたいなくどさはなく、吹替寄りでさらっと「完成されたヒーロー」を演じてくれるの、たまらなく素晴らしい。
中村悠一がキャスティングされたこと、そしてそれにばっちり応えてる中村悠一よ!!ありがとう!!!!
- スパイダーグウェンと悠木碧
グウェンが好きと書いたけど、これまで聞いたことのないような悠木碧さんのお芝居が、グウェンの魅力に上乗せされてて大好きになっちゃったんだなって思う。
悠木さんが吹替をするって聞いて、「日本のアニメみたいなキャラクターなのかな?」と疑いもなく思っていたけど、今はそれが先入観だってわかる。つまり、高め・舌足らず・すこしオーバーな演技。悠木さんの演技といえばそれだと思っていたし、実際その要素を難なくこなす役者だと思っていた。*1
きっとキャストを知らずに聞いていたら、グウェンが悠木さんだと気づかないだろう。低く、張らない声。演技の引き出しを努力によって増やしていく悠木さんを本当に尊敬する。
悠木さんは微笑みながら「多分グウェンは私のパブリックイメージと違うと思うんです。私が憧れる女の子です」と、舞台挨拶で言っていた。いいぞいいぞ、イメージなんて随時破壊して自ら築いていってほしい。
小野賢章さんも悠木碧さんも「憧れだったスパイダーマンになれて嬉しい」と微笑んでいた。本編を見終わって「誰でもスパイダーマンになれる」という今作品のテーマを、私は2人の笑顔と一緒に思い出した。とても良い作品で夢が叶って良かったねぇ。ありがとうスパイダーバース!